善良な者は善良であることを求められる

しあわせへのまわり道 (2014)

観て良かった。

妹がウェンディに紹介した男は視聴者には不快でしかなく、ウェンディ本人にも汚点のひとつになった。
それを希望の光であるダルワンの存在が覆い隠してくれた。
ダルワンの背筋の伸びた立ち姿は、彼の生きる姿勢そのまま。

主題からは離れるのだろうが、自分の心に残ったのは「善良な者は善良であることを求められる」ということだった。
ダルワンが倫から外れようとしたとき、ウェンディはそれを許さなかった。
人物評価というものは正負ともに、評価を下す側を固定観念で縛るのみではなく、それを受けた側をも縛りつける。

最後のドライビングシーンは、どうせなら農場まで行き着いて、娘の出迎えで終わってほしかった。
しかし、ウェンディはドライブ中のまま。
彼女はこれからも彼女の人生をドライブし続けるのだから。

★★★★☆

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